2013/02/01
チョコレートと健康
バレンタインデーに女性が男性にチョコを贈る習慣は日本だけだと言う人もいますが、実際は欧米でもバラやチョコ、宝石をプレゼントし合っています。つまり、日本以外でもチョコを贈る習慣はあるのです。ただし、女性から男性へ贈るのが通常であること、贈る物がほぼチョコに限定されているのは日本の特色です。日本で最初にバレンタインデーをチョコと関連させて紹介したのは、1936年の神戸モロゾフ洋菓子店です。バレンタインデーは元々女性が男性にチョコを贈り愛の告白をする日とされていたのですが、現在では中元、歳暮と並ぶ習慣となっています。
高脂肪・高カロリー食品であるがゆえに「鼻血が出る」「太る」「虫歯になりやすい」と何かと攻撃されがちなチョコレート。最近になって健康にとても貢献していることが分かってきました。
①抗酸化作用がある
人間の体をサビつかせる活性酸素と闘う抗酸化物質には、水溶性のビタミンC、脂溶性のβカロチン・ビタミンE・ゴマリグナン・リコピン、両溶性(どちらにも溶ける)ポリフェノール類などがある。赤ワインやお茶などと並んでカカオにも豊富なポリフェノールが含まれており、すぐれた抗酸化効果があります。
ポリフェノールの抗酸化作用
- 動脈硬化の予防作用がある
- コレステロール値を下げる
- がんの発生を抑制する効果がある
チョコレートに含まれるフラボノイドは、抗酸化、抗凝固、抗炎症作用などを介して心血管疾患に予防的に働くと見られています。LDLコレステロール(LDL-C)の血中濃度を低下させる可能性もあり、さらに、チョコレートの消費が血圧を下げるという報告もあります。チョコレートと心血管疾患との関連について調査した結果、チョコレートの消費量が多い人は、少ない人に比べて心血管疾患の発症リスクが約4割低いことが分かった。日本人を対象とした論文ではチョコレートの消費と糖尿病リスクを検討し、男性では糖尿病リスクが有意に低下したことが認められました。プレーンなダークチョコレートには降圧作用とコレステロール低下作用があるため、ダークチョコレートの摂取は、糖尿病でないメタボリックシンドローム患者に対して費用効果の高い有効な戦略になる可能性があります。がんの発生とチョコレートの関係については興味深いデータがあります。チョコレートをたくさん食べる国では胃がん死亡者が少ない。チョコレートだけで比較するのも問題ですが例えば、一人当たりの年間消費量が最も多いスイスと日本を比較してみると、スイスのチョコレートの消費量は日本の約6倍、胃がんによる死亡者数は約4分の1となっています。その他、アレルギーや胃潰瘍を予防する効果も期待できるという報告もあります。
②集中力・記憶力を高めたり、気持ちを穏やかにさせる
チョコレートの甘い香りには集中力や記憶力を高める効果があることがいろいろな実験から明らかになっている。また、チョコレートにはテオブロミンという成分が含まれており、神経を鎮静させる作用があることもわかっている。「チョコレートを食べると興奮して鼻血が出る」というのはむしろ逆で、ヨーロッパなどでは寝る前にチョコレートを食べたりします。
③ミネラル、食物繊維が豊富
チョコレートの原料であるカカオ豆にはカルシウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛などのミネラルがバランスよく含まれている。特に女性に不足しがちと言われている鉄分を、おやつにチョコレートを食べることで補うことができます。また、食物繊維が豊富に含まれている点も見逃せない。
チョコレートの原材料であるカカオ豆は“スーパーフルーツ”といえます。“スーパーフルーツ”とは、優れた栄養素と抗酸化物質を豊富に含み、なおかつ商品として消費者から支持される魅力的な味を持つ果物を指します。代表的なものに、アサイーやブルーベリー、クランベリーやマンゴーなどがあります。そしてカカオ豆も本来、「豆」ではなく、カカオノキに実る「果実」であります。