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2014年7月

ストレスが原因か 20~30代女性に増える低音難聴(低音障害型感音難聴)・・・耳鳴や耳つまりに用心 

耳鳴や耳つまりに用心

 音や人の話を聞くという聴覚機能は人間に備わった感覚の一つで、とても重要です。難聴は聴力が低下した状態のことを指します。音そのものが聞き取りにくい場合と、音は聞こえても言葉が聞き取りにくい、音が耳の中で響いて聞こえにくくなる場合などがあります。いずれも耳の中で音が伝わる経路に異常が起きて発症します。難聴は「伝音性」と「感音性」に大別できます。伝音性は鼓膜や耳小骨という小さな骨、音を伝える通り道である外耳道などの働きが悪くなって起こります。例えば、鼓膜に穴が空いて中耳炎になったり、何らかの病気で耳小骨が溶けたりすると、難聴を発症することがあります。伝音性の難聴は手術で治るケースも多い。
 一方、感音性は音を感じ取る細胞である蝸牛(かぎゅう)や、その信号を伝える蝸牛神経に原因があります。このタイプの難聴は治りにくいです。鼓膜や耳小骨などは、高齢になっても機能が衰えることはほとんどありませんので、年を取ると耳が遠くなるのは感音性の難聴にあたります。高齢で起こる難聴は、蝸牛や神経が老化により衰えるのが原因とされています。この場合、高い音が聞き取りにくくなるケースが多く、補聴器を付けて音を調整し、生活の質(QOL)の維持を目指すのが一般的な治療法です。難聴になれば一般的に耳鳴りがします。実際には音がしていないにもかかわらず、何かが聞こえるように感じる現象です。加齢変化や精神的影響によって感じる音の強さは変動することも分かっているが、仕事や家事など日常生活で不快に感じるようになれば、治療の対象になります。厚生労働省によると、耳鳴りに悩む人がここ最近、増加傾向を示しているという。
 難聴の一つで、低い音域だけが聞こえにくくなる低音難聴のかたが増えています。聴力が衰える高齢者ではなく、最近では20~30代の女性が多い。突然、発症し、症状を悪化させる可能性もあります。ストレスが原因ともいわれるが、はっきりしないケースも少なくありません。女性が様々な分野で活躍する中、仕事や家事に忙しいとこのようなことになるかも知れません。病気という自覚がなく重症化する例もあります。朝、目が覚めると、トンネルの中にいるような耳がつまった感じになることがあります。自分の声がおかしく聞こえたり、相手の声が聞きづらくなる。低音で大きな耳鳴りがします。最初は忙し過ぎて体調が悪くなったと思う程度かも知れません。低音難聴は耳の中のリンパ液が過剰に分泌。カタツムリの殻のような「蝸牛(かぎゅう)」という器官周囲のリンパ管が風船のように膨らみ、音波による振動が少なくなって低い音の感受性に異常をきたすといわれています。現段階で低音難聴の原因は不明なうえ、耳の内部器官を外部から正確に検査することが難しい。耳鳴りがするという点で、突発性難聴と症状は変わらず、誤診で対処法を間違うケースも少なくない。

このため、厚生労働省の研究チームは低音障害型感音難聴の診断基準を作成。(1)低い音の耳鳴りがある(2)耳鳴りはあるが、目まいは無い(3)低い音が聞こえなくなった–などの症状を、診断基準としています。聴力検査をしてみると、低音部に限局した感音難聴のパターンをとります。実はこの病気、メニエール病ほど歴史がなく、しばらくは突発性難聴の一部として扱われていましたが、他のタイプの突発性難聴と経過が異なることから、独立した疾患として扱われることが多くなりました。他の突発性難聴より治りやすいのが特徴なのですが、中には軽いめまいを伴う例もありますし、一旦治っても、繰り返す例もあります。また、両側例も少なからずあり、これらはメニエール病と一部重複している疾患群と考えます。

早期の診断や治療が有効といわれています。水分代謝をしやすい体質への改善のほか、運動や十分な睡眠などが大事。症状を軽くみる患者が多く、放置して聴覚を失う危険性もあります。とにかく異常を感じたら、医療機関で受診してください。
 育児などの家事だけではなく、仕事をこなす女性が急速に増え、ストレスへの対処を求められるという点で、「低音難聴」は現代病という側面も否めません。ストレスや疲れをためないバランスのよい生活を心がけることが何より、大切です。耳鳴りが1週間以上続いたら耳鼻咽喉科を受診してほしい。