【営業時間】9:00~12:00 15:30~19:00
TEL.059-244-2222

2016年10月

 春、夏、秋、冬、四季の変化に私たちの睡眠は影響をうけます。
夏には眠れなくて睡眠不足気味になりますが、秋には気候も良くなり、
長めに眠れるようになります。
 日々晩酌を続けるうちに、せっかくの催眠作用が徐々に弱くなってくる。これは「耐性」と呼ばれる現象である。古いタイプの睡眠薬も耐性ができやすく、多剤併用、大量服薬の原因として問題となった。寝酒も同様で、ある程度酒量を増やさないと眠気が生じなくなってくる。しかし、血中アルコール濃度が低くなると逆に覚醒作用が出ます。深夜に目が覚めてしまい、熟睡できません。就寝の少し前まで飲み続けていたのでは睡眠への悪影響は避けられないのです。睡眠にとって酒は「晩酌はよいが、寝酒はダメ」。晩酌は就寝の3~4時間前に終えるのが理想です。一方で、アルコールが睡眠に及ぼす影響には大きな個人差があり、日々寝酒でも快適睡眠という幸運な人もいます。
 

CPAP、マウスピース、ナステントなど睡眠時無呼吸症候群治療の実際

CPAP、マウスピース、ナステントなど睡眠時無呼吸症候群治療の実際 ★お勧めはCPAP
(Continuous Positive Airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸療法)

 CPAPとは、睡眠中に、鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道に一定の圧力をかけて空気の通り道を確保する治療法のこと。CPAPを行えば、睡眠時の気道の閉塞が防げるため、いびきはなくなり、無呼吸をゼロにできる。
 睡眠時無呼吸症候群の治療の第一選択はCPAP療法です。CPAPをきちんと使えば、無呼吸は100%なくなります。CPAPを始めると、無呼吸がなくなって熟睡できるので、朝の目覚めがよくなったり、日中の活動性が向上します。
 ただし、CPAPに健康保険(公的医療保険)が適用されるのは、AHI(無呼吸低呼吸指数)が基準以上の場合です。在宅医療としてCPAPを使用することができ、1カ月の費用は約5000円です(3割負担の場合)。これには、診察、機器のレンタル、メンテナンス、消耗品の交換などの費用がすべて含まれます。 時代とともに進化しますので新機種への交換もできます。また、マスクにもいろいろな形状があり、各個人にあうものに変更することができます。ただし、単純な機器のレンタルではなく、在宅医療として健康保険で実施するものなので、月に1回は主治医への受診が必要です。 CPAPの機器を個人的に購入してしまってはどうだろうと考える方もいます。CPAPは高度管理医療機器なので、日本では一般販売はされていませんが、海外では5万~10万円で売られており、個人輸入などで購入することは可能です。ただし、個人輸入の場合はメンテナンスサービスや手厚いサポートがないことを考えると、かえって高くつく可能性もあるので、あまりお勧めはできません。

★CPAPを使っていれば、いつか無呼吸が治って治療が終わる?
 CPAPは、高血圧や糖尿病の薬と同じ位置付けで、基本的には一生続ける治療です。肥満で喉に脂肪がかなりついている人の場合は、やせると無呼吸が軽減することはありますが、基本的には骨格の問題なので、やせれば必ず治るというわけではありません。また、手術的に軟口蓋形成術という口蓋垂(のどちんこ)周囲の空間を広げる手術もありますが、無呼吸を減らすことはできますが術後もCPAPが必要になることもよくあります。 
 CPAP療法を行わない人は、CPAPを行った人に比べて、年々生存率が
落ちていくというデータがあります。この事実を直視し、面倒でも、
快適な睡眠と健康を手に入れるために、使い続けることが肝要です。

★マウスピースなら軽症でも保険が使える
 マウスピースは、軽症のSASでも健康保険の適用になります。目的は下顎骨の位置を矯正することにあります。マウスピースは、個人の歯型に合わせたオーダーメイドになるので、睡眠外来などで紹介状を書いてもらって、歯科で作成する。作成費用は場合によって異なるが、だいたい1万数千円程度だ。 軽症の人なら無呼吸の頻度が半分くらいに減ることは確認されています。でも、残念ながらCPAPのようにゼロにはなりません。

★話題の「ナステント」とは?
 鼻から細くて軟らかいチューブ(ナステント)を差し込むだけのこの治療法、CPAPのようなマスクの装着は不要で、電源も要らず、装着したまま会話も可能で、寝返りも簡単に打てるなどの手軽さが魅力です。 購入に当たり、最初は自分に合った長さや硬さを選択するためのフィッティングが必要です。
 鼻から入れて口蓋垂(のどちんこ)の裏あたりまで差し込むために、強い異物感を感じ、使用をあきらめる患者さんもいます。CPAPの保険適用にならない比較的軽症のSASの患者さんで、異物感が気にならない人は、上手に利用してみるといいのではないかと思います。例えば旅行でCPAP機器を持っていけないときに活用するといった方法も考えられます。ただし、ナステントの場合、無呼吸の頻度は減少するものの、中等症以上の無呼吸症候群の患者には推奨されません。 ナステントには健康保険の適用はなく、1回ずつ使い捨てなので、1週間分(7本入り1箱)で4536円(税込)かかります。ひと月では1万8000円以上になります。毎日使い続けるには相応の費用負担が必要です。