2016/12/06
今話題のがんに効く高額な薬
がん治療薬「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)はこれまで1万人ほどが使った新薬。でも、値段が高いため議論を呼んでいる。今年のノーベル賞候補にも挙がってたっていたそうです。京都大学の本庶佑(ほんじょたすく)客員教授の研究で作ったオプジーボは2014年に発売されました。今年のノーベル賞の有力候補の一人として本庶先生を挙げられていました。本庶先生は、がんを攻撃する免疫細胞にPD―1という物質があることを発見しました。がんは攻撃されないようPD―1にくっつき、免疫細胞の働きを抑えている。くっつくのを防げば免疫細胞は攻撃をやめることなく、がんをやっつける。これがオプジーボの仕組みです。
今までのがんの治療法は主に3つ。まず手術。次に放射線治療。最後は抗がん剤(がんが増えるのを薬で抑える)。どれも、治す一方で副作用がある。オプジーボは免疫細胞の働きを強くする(ブレーキを解除する)だけだから負担が少なくて済む。夢の薬といわれる由縁です。オプジーボは世界54カ国で使用が認められていて、日本でもこれまでに1万人程度が使っている。効く人の中にはがんが見えなくなった人や、末期がんで効果がでた患者もいます。オプジーボの効き目は絶大といわれている。ますます使いたいと思う人は増える見込みです。
手術や抗がん剤は必要なくなると思いがちですが、オプジーボにも欠点がある。抗がん剤によって髪(かみ)の毛が抜(ぬ)けてしまうのと同じように、オプジーボを使うことで他の病気を起こしてしまうことがある。空気を十分に取り込めなくなる肺疾患や、筋肉がうまく動かなくなる筋炎などが主な副作用があります。
値段が高いことも課題です。オプジーボは100ミリグラムで約73万円。米国の30万円、ドイツの20万円と比べてかなり高い。今のままだと、患者1人に1年間で約3,500万円もかかる。国が決める薬価は2年に1回の診療報酬改定です。今年は改定の年でしたが、春に終わったばかりで、オプジーボは高すぎることが問題になったことから、特例で来年2月から半額に値下げすることが決まりました。オプジーボは昨年に肺がん、今年は腎細胞がんが保険の対象になった。小野薬品は血液がんの一種でも適用を申請。胃がんや食道がんなどにも効くか確かめる試験を進めている。適用対象が広がると値段が下がる。副作用も抑えることができれば使いやすくなるが、今後どのような人に副作用が出やすいのかまだまだ検討の余地があります。
睡眠によい食べ物?
加齢とともに早寝早起きになることはよく知られている。中高年に「若いときよりも早寝早起きになったか」と聞けば特に60歳以上のいわゆるリタイア世代になると非常に多い。高齢者の早寝早起き、それ自体が悪いわけではない。
しかし、過度の早寝早起きになると問題です。夜9時過ぎには眠気が強まり、頭がぼんやりして、知らぬ間にソファーで寝込んでしまう。いったん寝ついても2、3時間もすれば目を覚ましてしまう。まだ暗いうちに何度も目が覚める、二度寝ができないなど睡眠満足感が低下することが多い。
あまりにも早い時間帯から寝落ちすると一般的に睡眠の質は低下する。体内時計の加齢変化以上に早寝早起きをしている中高年がとても多い。これに目を付けた企業は「アレを食べると寝つきが良くなる」「コレを食べると眠りが深くなる」など、快眠をもたらす食品、飲み物、サプリ、各種ビタミン、ホルモン、アミノ酸を売りだしている。医薬品を服用するのは抵抗があっても、身近な食材や果物、天然素材から抽出したエキスと聞くと、なんか安心感がある。
しかし、睡眠についてはそのような中長期的な効果が実証された食品や栄養素はないようです。「睡眠によい〇〇成分が含まれている果物」なんて銘打っていても大量に摂取しないと効かないなどのわけがあります。安易に信用しないほうが良いようです。効くと思えば効くのでしょうが。