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2021年7月

医師も驚くワクチンの効果

インフルエンザの場合はワクチンの有効性は40~60%程度ですが、ファイザー社の新型コロナワクチンはなんと9割超、アストラゼネカ社のワクチンも7割以上の有効性と報告されています。医療関係者も正直驚いているのですが、ワクチンの接種率の高いイスラエルでは、その効果が表れ始めて明らかに感染者が減ってきています。
ワクチンの有効性とは、「ワクチンを接種しなかった人が病気にかかるリスクに比べて、接種した人が病気にかかるリスクがどれだけ減少するか」を表したもの。ワクチンの有効性が95%とすると、ワクチンを接種しなかった場合に比べて、接種した人が感染する可能性が平均5%ということです。
インフルエンザワクチンの効きが低いのは、そもそもウイルスの種類が非常に多いから。新型コロナウイルスは基本的には1種類ですが、インフルエンザの場合は、人間に感染するウイルスの型がA、B、C、D型と複数あり、A型だけでも100種類以上と非常に多い。
そのため、年によっては予測が外れることもあり、流行予測が当たったとしても、異なる株に感染・発症してしまうこともある。
新型コロナワクチンの有効性が高いことはわかったが、すでに変異ウイルスも複数見つかっている。変異ウイルスが問題になっているのは、ワクチンがターゲットにしているスパイクたんぱくが変異しているからです。ここが大きく変わってしまうと、ワクチンを接種して抗体を作っても、その変異ウイルスに効かなくなることがあります。変異ウイルスをターゲットとした改良ワクチンの開発も既に進められているが、今のところ現行のワクチンが変異ウイルスにまったく効かないということはないようです。
現時点で私たちが接種する可能性のあるワクチンは全て2回接種タイプ。生ワクチンのように実際に生きたウイルスに感染するのと異なり、不活化ワクチンやmRNAワクチンは、2回接種するほうが抗体産生は高まります。何より気をつけてほしいのが、効果が表れるには2週間要します。ワクチンを打ってすぐマスクを外しての会話、手洗い・うがいをおざなりにするのは、感染を広めるリスクになります。

基本的には、ワクチンが他のワクチンの効きに影響を与えるということはないと思われますが、他の異なるワクチンの接種する場合は2週間空けるようになっています。かかりつけの医師や医療機関に相談するのがいいと思いますが、肺炎球菌ワクチンなど複数のワクチンを接種する場合は、新型コロナワクチンを打つタイミングを考慮し、必ず2週間は空けてスケジュールを組むにようしてください。
新型コロナのワクチンはなぜ筋肉注射(筋注)なのでしょうか。日本のワクチン接種ではインフルエンザワクチンのような皮下注射が一般的ですが、実は皮下注射は日本独自の方法だという。1970年代ごろに、子どもに栄養剤や抗生物質の投与を筋注で繰り返し行っていた医療機関があり、筋肉が萎縮して歩けなくなった子どもが出てしまいました。そのため、徐々に皮下注射に移行していったという。筋肉には免疫細胞がたくさんあり、ワクチン接種による効果が得られやすいといわれています。
まずはワクチン接種を済ませ、コロナ前の生活を取り戻すようにしたいものです。

のどのつかえ・違和感

のどのつかえや違和感のある人は意外に多いようだ。違和感が何カ月も続くと訴える患者は珍しくない。つかえや違和感は何らかの病気が原因になって起こっている場合がある。
例えば胃酸が逆流する「逆流性食道炎」、蓄膿(ちくのう)症などで鼻水がのどの奥に流れ落ちる「後鼻漏(こうびろう)」が挙げられる。時にがんなどの腫瘍ができているケースもある。まずは内視鏡などの検査で病気の有無を見極めることが重要です。がんがないとわかっただけで安心して症状が軽くなることもあります。病気の中で比較的多いのが逆流性食道炎。さらに胃酸がのどにまで逆流してくるとのどのつかえ・違和感が食事に連動して現れます。胃酸の逆流は食べ過ぎや早食い、食後すぐに横になる習慣、高脂肪食、飲酒、喫煙などを続けると起こりやすい。のどは食道よりも胃酸に対す知覚が過敏ともいわれています。この場合は胃酸の分泌を抑える薬や胃の動きをよくする薬の服用によって確実に改善します。
これで改善しない場合はアレルギーが関与している場合が多いようです。鼻水が出ていなくても咽頭でアレルギー症状を引き起こしているケースです。時には咳を伴うことがあり、咳ぜんそくに移行する場合もあります。
一方、体にこれといった異常はみられないのに、のどの違和感だけ続くのが「咽喉頭異常感症」です。症状に波があり、精神的なストレスのかかるときに出やすいとされる。生活習慣の改善にも心を配り、散歩などで体を動かすといい。コロナ禍によって最近は在宅勤務やウェブ会議が多くなった。リモートだと無意識のうちに声を高く張り上げるため、のどが乾燥しやすい。乾燥はのどの違和感の原因になりうる。こまめに水分を補給して、のどの潤いを保つようにしたい。