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2023年1月

あけましておめでとうございます。今年はコロナが収束して安心して生活できることを願いたいものです。本年もよろしくお願いいたします。

睡眠時間が足りない日本人

 睡眠の研究では、日本勢が、世界をリードしています。ところが、国民の睡眠習慣という観点から見ると、残念ながら、わが日本は、後進国です。 日本では、多くのビジネスマンが、残業を含めた長時間労働を強いられ、時眠不必に陥っているのが現状です。 日本人の睡眠時間が短いことは世界的にも知られていて、日本国民は、欧州諸国の国民に比べて、平均睡眠時間が約1時間も短いことが判っています。 コロナ禍では、リモートワークの浸透などの影響で、諸外国の国民の睡眠時間が、平均で8分半ほど延びたという報告もありました。ところが、日本人は、睡眠時間が5分ほどしか延びていないという結果が出ています。 仕事中のビジネスマンの多くが、電車の中などで「眠りこけている姿」は欧州では、お目にかかれない光景です。日本人の睡眠時間が短いのは、生産性を低下させ、健康を脅かしかねないのです。 睡眠時間が6時間未満と少ないことで生じる経済的な社会損失は、日本円にして年間約15兆円と試算されています。そうした社会的損失がGDPに占める比率は、約3%にも達しているそうです。

寝不足なのにそれを感じない

 睡眠が不足する原因としては、大きく分けて「睡眠時間の不足」と「不眠症」の2つがあります。睡眠時間が足りないのなら、増やせばよい。ところが、実際は寝不足なのに、「自分は十分寝ている」と誤認していることが多い。日本人の多くが、この病的な状態を認識できない状態で、そこに睡眠不足の恨深い問題があるのです。寝不足になると、体はダメージを受けるのですが、睡眠不足を続ければ、ダメージが体に蓄積されていくことを、「睡眠負債」と呼んでいます。睡眠負債が増えると、思考能力が低下し、仕事のパフォーマンスが悪化することもわかっています。単純作業でもミスが多発するのですが、慣れてしまうと仕事のパフォーマンスが明らかに落ちていても、本人には自覚がないのです。
毎日40分の睡眠負債を解消するのに、約3週間もかかることが研究で分かりました。「週末によく寝たから平気」と言って、働き続けるひとは、パフォーマンスが回復できていないのです。

寝不足の解消法

 自分の最適な睡眠時聞を把握することが肝心です。ほとんどの人の睡眠時間が6~8時間の範囲に収まっています。十分な睡眠を取ると、よほどのことがない限り、起きているときに眠くなることはありません。ちなみに、短い睡眠時間でも健康でいられる「ショートスリーパー」も実際にいますが、かなり希です。睡眠時間が.不足しているとわかった場合、ほかのすべてに優先して、最適な睡眠時間を確保するということです。仕事は後回しにして、先にぐっすり寝るようにしましょう。気になるなら、次の日に早めに起きて、仕事を片付ければいいのです。きっと疲れが取れて、頭がさえているので、はかどります。
 睡眠不足のもう一つの要因で不眠症です。不眠症は、日本人の5人に1人が陥っているともいわれています。ただし、不眠症が難しいのは、「眠りたいのに、思うように寝られない。そのために昼間に支障を来している」という患者の主観があるからです。実際は、「寝ているのに、寝られていないと感じる」という方も結構います。
睡眠時間は確保しているのに本当に限れない人は、薬物療法も選択肢になります。薬物に頼らず認知行動療法を取り入れる方法があります。眠気をもよおすまで、起きているのです。決まった時間に無理に就寝しようとするのは逆効果。入眠できないと、不安や焦燥感で頭がさえ、逆に眠れなくなってしまいます。
中途党醒は、加齢とともに誰にでも起こりうる生理現象なのです。開き直って、床から起き上がりましょう。そして、リラックスして、自然に眠くなるのを待ちましょう。高齢者は昼寝をしてしまうと、夜に眠れなくなってしまいます。最近では、仮眠が勧められていますが、昼寝をするなら、15分程度にとどめてください。昼間は、できるだけアクティブに活動しましょう。そうすれば、夜には疲労がたまってくるので、入服しやすくなります。ぐっすり限るための環境づくりも重要です。ぜひ十分な睡眠を取り、仕事の効率アップや、コロナ禍に負けない健康な体づくりをしましょう。