2009/03/01
スギ花粉症患者のモーニングアタック
花粉症における鼻の主症状はくしゃみ、鼻汁、鼻閉です。
くしゃみは花粉が鼻の粘膜に付着し、粘膜から化学物質が遊離され、神経を伝わって脳のくしゃみ中枢を刺激し、くしゃみを起こす神経を下って爆発的な呼気であるくしゃみが生じます。
鼻水は脳に伝わった刺激が別の神経(副交感神経)を刺激し、鼻の粘膜にある鼻汁を出す腺細胞から多量の水分を出す。しかし、鼻閉は鼻粘膜で放出される化学物質の血管への直接作用によって血管拡張、血管透過性亢進(血管から水分が滲み出す)によって粘膜が腫れてくるのです。
くしゃみや鼻水は花粉に触れた直後に起こりますが、鼻閉は直後にも起こりますが、5-6時間後に再び起こります。
起床時にくしゃみや鼻汁が多い現象は「モーニングアタック」と呼ばれます。
身体機能は活動時に優位に働く交感神経と休息時に働く副交感神経によって自立的に調整されています。アレルギー反応は交感神経優位のときは起こりにくく、副交感神経優位のときに起きやすい。睡眠中は副交感神経優位ですが、脳の反射機構も停止していますので不思議に発作は起こりません。起床直後は副交感神経優位のため発作が起こりやすいのです。しかも、家の中に入り込んだ花粉が活動の開始とともに舞い上がり、それを吸入することも大きな原因です。
対策として布団の中で足首を前後に動かす運動を3から4回おこなうことが推奨されています。
同部の筋がポンプのやくわりとなり全身の血流を促すため、交感神経系が活動し始め、頭もすっきりする。この状態で起きると、わずかな花粉にも反応する現象は回避できます。また、起床後にマスクをすることも勧められます。
受動喫煙・・・煙を吸うだけで重大な健康被害を受けます
最近、自分の意に反して煙を吸わされている受動喫煙が問題視されています。
タバコの煙には喫煙者が直接吸い込む「主流煙」と、タバコが燃えるときに立ち上がる「副流煙」、喫煙者が煙を吐き出す「呼出煙」があり、後者2つが受動喫煙に当たります。
実はフィルターによって煙を希釈する主流煙より、副流煙のほうが一酸化炭素、タールなどの有害物質をたくさん含みます。とくにアルカリ性のアンモニアを多く含むため、目や、鼻、のどなどの粘膜を強く刺激します。
煙に慣れている喫煙者はすぐに回復しますが、非喫煙者は体に大きな負担がかかります。
一般に副流煙を2秒間吸っただけで心拍数増加や血管収縮が認められ、肺がんや心筋梗塞、脳卒中などのリスクも喫煙者と同様に高まります。家庭内で喫煙する場合、換気扇や、空気清浄機の前で吸っている人もいますが、有害物質を除去する効果はほとんどありません。ベランダなど屋外で吸った場合も毛髪や衣服に付着したり、肺に残っている煙が室内に持ち込まれます。
夫からの受動喫煙は妊婦のアトピー性皮膚炎の危険因子である可能性が示唆され、気管支喘息だけでなくアトピー性皮膚炎にも悪影響を及ぼす可能性があるとの報告があります。
当院で行っている「飲む禁煙治療薬」は大変有効です。この薬で禁煙できた方がどんどん増加しています。是非、禁煙できずにお困りの方はご相談下さい。