2009/10/01
高齢者に肺炎球菌ワクチンを・・・インフルとの併発、重症化防ぐ
インフルエンザと併発しやすい肺炎について、予防法を広く知ってもらおうと、専門家や企業などが「肺炎予防推進プロジェクト」を発足させた。高齢者や持病がある人は、肺炎球菌ワクチンを接種することを勧めている。
肺炎は、がん、心臓病、脳血管障害に次いで、日本人の死因の第4位。特に高齢者が季節性インフルエンザやかぜにかかった後に、肺炎を併発して亡くなるケースが多い。肺炎による死者の95%は、65歳以上の高齢者だという。
肺炎球菌は、肺炎の原因の3割を占める細菌。ワクチンによって、肺炎の発症や重症化を予防できる。地域の医療機関で接種できるので、かかりつけ医に相談する。保険はきかず、自費で7,000~8,000円ほどかかるが、接種費用を補助している自治体もある。ワクチンの効力は5年以上続くとみられる。日本では現在、一生に1回しか接種できない決まりになっている。
米疾病対策センターによると、今年5月から8月にかけて、米国で新型インフルエンザに感染して死亡した77人のうち、22人が細菌にも同時感染しており、うち10人は肺炎球菌に感染していた。よって、肺炎球菌ワクチンは、新型インフルエンザによる肺炎の予防にも有効と思われる。高齢者と持病がある人は、〈1〉肺炎球菌〈2〉季節性インフルエンザ〈3〉新型インフルエンザの3種のワクチンを接種するのが理想的。接種の間隔は1週間以上空ける必要があります。現在、このワクチンも入手しにくくなっています。
このほか、肺炎の予防法として、〈1〉外出から帰ったら、手洗い、うがいをする〈2〉適度な運動で免疫力を高める〈3〉歯を磨く時には、歯茎も磨き、口の中の細菌を減らす――などを心がけて下さい。
新型インフル、9月の連休後再び流行拡大
大型連休の影響などで減少していた前週の約2倍となった。
いずれも新型インフルエンザによるものと見られ、厚労省は「確実に感染は広がっている」としている。特に大都市圏での発生数が顕著です。10月下旬から医療関係者をかわきりに妊婦、その次に持病のある方と接種が進む予定です。まずは早めの季節性インフルエンザ接種をお願いいたします。厚生労働省は18日、新型インフルエンザワクチンを優先接種する9種類の病気を公表した。季節性インフルエンザワクチンとの同時接種についても、国産の新型ワクチンに限って認める方針を示していますが、接種可能時期が未定ですのでまずは季節性インフルエンザの予防接種をしておく方がよいと思います。
持病がある人約900万人を優先対象としていたが、厚生労働省が9種類の疾患を発表しています。その内訳は〈1〉慢性呼吸器疾患(ぜんそくなど)〈2〉慢性心疾患〈3〉慢性腎疾患(透析患者も)〈4〉肝硬変〈5〉神経疾患・神経筋疾患(多発性硬化症など)〈6〉血液疾患(急性白血病など)〈7〉糖尿病〈8〉がんなどで免疫が抑制された状態〈9〉小児の疾患(重症心身障害も含む)。
それぞれの病気の中で、季節性インフルエンザを発症すると重症化しやすい患者を、特に優先する。〈1〉なら、「ぜんそく患者や肺気腫などで継続して治療を受けている人」になる。
時期がいつになるかは分かりませんが、厚生労働省の方針に従った形で接種していきたいと思いますので、新型インフルエンザワクチン接種希望者は、申し出て下さい。予約受け付けています。
簡便な血液検査で大腸癌(がん)を検出の可能性
増加傾向にあるがんの中で、肺がん対策として喫煙率激減、大腸および乳がん対策としてがん検診の推進が特に重要である。大阪府が出している統計を見ると、検診受診率が100%になったとき現在の死亡数は胃がん、大腸がんで50%以上の方が助かります。さらに、子宮頸がんに関しては7割以上の方が助かるのです。がん検診を受けることは大変重要であることをご理解下さい。さて、大腸がんの検診はまず、便潜血反応で陽性が出たら大腸ファイバーで検診を受けるのが一般的ですがこのたび簡便な血液検査によって、非侵襲的に大腸(結腸直腸)癌(がん)を検出できる可能性が2つの研究で示され、ドイツ、ベルリンで開催された欧州癌学会(ECCO)・欧州臨床腫瘍学会(ESMO)共同会議で発表されました。癌に関連する種々の遺伝子の検討を行った結果が発表されました。
その結果、SYNE1およびFOXE1の2つの遺伝子が、大腸癌患者には多量にみられるが、大腸癌のない人にはほとんどみられないとのことです。この検査の感度(癌を正しく判定できた割合)は58%、特異度(癌ではないと正しく判定できた割合)は90%で、別の集団では感度56%、特異度91%であった。早期の大腸癌患者では感度41%、特異度80%とやや低かった。この検査法は大腸内視鏡検査や便潜血検査の代わりにはならないまでも、簡便で受けやすい検査として新たな選択肢となる可能性があります。この研究グループは今年(2009年)末までに7,000人を対象とする試験の実施を計画しているという。大腸癌は17人に1人が生涯に罹患するとされています。大腸内視鏡は極めて感度の高い検査法だが侵襲性が高く、便潜血検査は便検体を医師に提出する必要があることから抵抗を覚える患者もいる。血液検査はすでに多くの診察で実施されていることから、大腸癌の血液検査が一般的になりファイバーが必要な人が少なくなればつらい検査をしなくてすみ、検診率も上がることでしょう。