【営業時間】9:00~12:00 15:30~19:00
TEL.059-244-2222

2012年1月

あけましておめでとうございます。昨年培った「絆」をさらに固いものにし、よき1年でありますことを願います。当院もおかげさまで10周年を迎えることができました。何の基盤もないこの地で何より患者さんの当院に対する暖かいご支持の賜と理解しています。さらなる10年に向かってスタッフ共々皆様から愛される医院を作り上げていこうと思います。本年もよろしくお願い申し上げます。

「風邪」にかかりにくい生活習慣を

「風邪」にかかりにくい生活習慣を

寒くなり、せきが出たり微熱が出たりする風邪がはやる季節になった。頻繁に使う言葉だが、「風邪」は医師が診断する病名ではない。一見同じような風邪の症状でも、原因や経過が異なる複数の病気に分かれていてそれぞれの病名で診断されます。 一般にせきやくしゃみ、軽い発熱などがあると「風邪」と言うことが多い。風邪にはウイルスや細菌などの病原体の感染による「感冒」と、「寒い日におなかを出したまま寝ていた」といった寒さなどの生活環境による「寒冒」がある。ほとんどが前者で、そのうちの多くの原因がウイルスだ。

風邪を引き起こすウイルスは少なく見積もっても250種類以上ある。通常、ウイルスに一度感染すると免疫ができて次に感染しにくくなるが、これだけたくさんの原因ウイルスがあるので何度も風邪を引くというわけだ。せきや発熱のような同じような症状でも季節によって流行するウイルスが異なり、冬は子供の気管支炎などの原因となるRSウイルスなどが多い。 腹痛や下痢、嘔吐(おうと)などの症状があると「おなかの風邪」といわれることも。これは感染性胃腸炎と診断される。大腸菌などの細菌のほか、冬はノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスが原因になることが多い。

これだけ多くの原因を持つ風邪。予防はどうするのか。インフルエンザの発症は12月から増え始め、1~2月にピークを迎える。なぜこの時期に風邪が流行するのか。それは、風邪やインフルエンザの原因になるウイルスの“動き”が関係する。ウイルスの多くは気温が15℃以下になると活発に働く。さらに、湿度が下がれば下がるほど、空気中に漂う時間が長くなる。冬は温度も湿度も下がるため、感染しやすくなります。 主な感染経路は、感染者のせきやくしゃみの飛沫に含まれるウイルスを吸い込む「飛沫感染」と、飛沫が付いた物に触れた手を口元などに持っていくことで感染する「接触感染」です。「飛沫感染を防ぐには、人ごみを避けて、感染者の近くにいる時間を減らすことが大切 こまめに部屋の換気をするのもいい。マスクは鼻やのどの粘膜の乾燥を防ぐので、ある程度効果があるが、過信は禁物だ。マスクがウイルスを遮断すると考えている人も多いようだが、空気中に漂うウイルスを含んだ細かい飛沫は、マスクを通過します。ただし、感染者のくしゃみやせきなどで出る大きな飛沫をとらえ、空気中に漂うのを防ぐにはマスクが有効なので、感染者にはマスクを着用してほしい。飛沫感染よりも防ぎやすいのが、接触感染だ。効果が高く励行しやすいのは、手洗いとうがい。つり革や手すり、エレベーターのボタンだけでなく、共用のパソコンなど、不特定多数の人が触れる可能性があるものには飛沫が付いている可能性がある。こまめな手洗いを習慣にしてほしい。手首や指の股などまで、しっかりと手洗いするには、かなりの時間と手間がかかるもの。「不十分な手洗いよりは、むしろアルコールジェルなどでの消毒の方が効果的」です。また、日ごろの習慣で顔や髪の毛などに触るクセがあると、手に付いたウイルスを口に運んでしまいやすい。

一方、ウイルスに負けない体づくりも重要だ。栄養や休養を十分にとり、免疫力を下げないだけでなく、水分補給にも留意しなければならない。冬はただでさえ湿度が低いが、暖房で温めた室内はさらに低下する。そうなると、呼気や皮膚からかなりの水分が失われる。そうした湿度が低い環境では、吸い込んだ空気中の細菌やウイルスなどの異物を排除するための気道の粘膜の働きが低下する。しかし、水分を摂取しておけば、体の防御機能の最前線である粘膜の働きの低下が抑えられる。漢方医学でも、風邪の予防には、鼻や喉の粘膜、肺を潤す“潤肺”の作用が大切という。風邪の季節には、潤肺の作用があるとされる白ゴマやユリ根、ミカン、リンゴなどを食べるといいとよいそうです。室内の湿度を下げないよう、加湿器を使ったり、洗濯物を部屋で干したりする工夫も重要だ。ただ、「うがいだけではウイルス感染を防ぐことはできない」。十分に対策をしていても、風邪をひくことはある。こじらせないためには、早めに薬を飲み、休養や水分をとりたい。

悪寒もサインに

それには、せきや鼻水などの症状が出る前の、ちょっとした体の変化に気づくのが肝要。特に市販の風邪薬は、熱やせきといった症状が出てからでは効きにくい。例えば、風が当たるだけでも寒気がする、冷たい物を飲んだら普段と違ってゾクッとする、水に手が触れたらピリッとする、なども悪寒の一種なので、その段階で服用してほしい。関節や筋肉の痛み、だるさ、耳のむずかゆさなども風邪のサイン。日ごろから自分の体の声を聞いて、変化に迅速に対応して下さい。