2012/10/01
2011年、肺炎による死亡・・・「脳血管疾患」上回り日本人の死因の3倍に
高齢化社会の到来で肺炎で亡くなる高齢者が急増、日本人の死因の3位に浮上した。高齢になるほど死亡率が上がり、死亡者の96%は65歳以上です。肺炎とは、さまざまな病原菌の感染によって肺に炎症が起こった状態のことです。一般的には、体力が落ちているときや高齢になって免疫力が弱くなってくると、かかりやすくなると言われています。肺炎の原因となる細菌やウイルスは、呼吸をするときに鼻や口から身体の中に侵入します。健康な人は、のどでこれらの病原菌を排除することができるのですが、風邪などをひいてのどに炎症が起こっていると、病原菌が素通りして肺に入ってしまい炎症をおこしてしまいます。ただし、風邪にかかった全ての人が肺炎になるのではなく、肺に侵入してしまった細菌の感染力が人の免疫力を上回った場合にだけ発症します。肺炎の主な症状はせき、発熱、悪寒、胸痛、喀痰、呼吸困難などで、これらの症状は数日間続きます。しかし、高齢者では食欲不振や元気がないなどの症状のみが前面に出る場合あるので注意が必要です。高齢者の肺炎の3分の1から4分の1は肺炎球菌が原因のため、80年代後半から肺炎球菌ワクチンの接種が始まり、09年以降はインフルエンザワクチンとの同時接種や5年後の再接種も可能になりました。接種により肺炎の重症化や死亡を減らすと報告されています。全ての高齢者の接種が望ましいが、接種率は10%台にとどまっています。費用(6000~8000円)が公的医療保険の対象になっていないのが一因です。公費助成をする自治体も増えており、こうした自治体では接種率が高い。津市では満65歳以上の方に、9月10日より肺炎球菌ワクチン予防接種費用の助成が始まりました。助成を受けようとする人は、
- 各保健センター窓口または郵送で助成申請書(当院にもあります)を提出し、「助成券」の交付を受けます。
- 医療機関(三重県内に限る)で、津市の「高齢者肺炎球菌ワクチン予防接種費用助成券」が利用できるか必ず確認の上、接種予約をします。
- 接種当日に助成券、健康保険証(現住所が確認できるもの)、自己負担分の費用(医療機関によって異なる)を持参して、協力医療機関で予防接種を受けます。
- 予防接種費用(医療機関によって異なる)から助成額を差し引いた自己負担額(当院では4000円)を協力医療機関に支払います。
約2割の人が睡眠障害に悩む
必要な睡眠時間は一般的に大人で6~8時間程度といわれているが、人それぞれ異なります。睡眠時間が短くても、眠気や疲労感を感じなければ問題ありません。不眠症は眠ろうとしてもなかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてその後眠れない、熟睡できないといった症状が表れます。何らかの睡眠の障害が2~3週間以上続き、昼間の生活に支障が出たら不眠症の可能性がある。睡眠での休養が不十分だと疲れが取れず昼間に眠気が出て、集中力や判断力などが低下する。仕事の効率が落ちてミスを起こしやすくなる。自動車を運転する人なら重大事故を招く可能性も高まる。また、体の防御システムである免疫が弱まり、風邪を引きやすくなるなど病気の発症や悪化の原因にもなる。血圧上昇や糖尿病のリスクが高まることも分かってきました。不眠症を引き起こす原因はいくつかある。不規則な生活を続けると、人体でリズムを刻んでいる「体内時計」が乱れてしまう。心理的なストレスもよくない。このほか、鬱病や認知症、睡眠時無呼吸症候群などの病気でも不眠を伴うことが多い。不眠症を改善する方法はまず生活習慣の見直し。例えば、毎日同じ時刻に起き、規則正しく3度の食事を取るといった行動を励行する。寝る前にリラックスし、眠くなってから床につくよう心がけるのも有効です。ただ、こうした対応でもよくならない場合は、患者の症状に合わせて睡眠薬などで治療します。現在、主に使われている睡眠薬は「ベンゾジアゼピン系」や「非ベンゾジアゼピン系」と呼ばれるタイプ。いずれも脳にある特定の受容体たんぱく質にくっつき、眠りを引き起こします。効果が続く時間の長さに応じ、2時間程度の「超短時間作用型」から8時間程度の「長時間作用型」など4つに分類されます。
かつて用いられていたタイプは大量に飲むと死亡する例もありましたが、今の睡眠薬は安全性が高くなっています。睡眠薬は専門医など詳しい医師と相談して服用し、自分に合った治療を受けるのが大切です。