2013/09/05
せきぜんそく油断しないで、2カ月続くなら検査を
せきぜんそくの患者が増えている。せきが2カ月以上も長引く場合は、この病気の疑いがあり、治療しないとそのうちの約3割がぜんそくに進むといわれています。アレルギーと関連がありますが、季節の変わり目などに引いた風邪がきっかけになることが多い。
この病気の症状は2カ月以上も長引くせき。ぜんそく特有の「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」という異常な呼吸音はなく、せきだけ続くので単に風邪が長引いていると思ってしまいがちです。しかし、ぜんそくと健康な状態の中間のような状態で、気管支は炎症で通常より少し狭くなっている。そのまま放っておけば、せきぜんそくの患者のうち約3割はぜんそくに移行するといわれます。
風邪などウイルス性の感染症が原因で起こるせきの多くは3週間以内で治まり、症状も少しずつ良くなるのが一般的です。高齢者や若者でも発症しますが、女性が比較的多いようです。小児ぜん息は男児に多いが、成人ぜん息は女性に多い。先進国の特に温暖地域で増加しています。女性は自律神経やホルモンのバランスの影響が出やすく、夜から朝方にかけて激しいせきが出る例もあります。せきぜんそくと診断がつく人の3~4割は寝られないくらいひどい。
病気の原因は今のところはっきり分かっていません。ただ患者の中にはハウスダストやダニ、花粉、ペットの毛などの物質にアレルギー反応を起こす例が多い。季節も関係しているようだ。患者が増えやすいのは、スギ花粉が飛び始める春や梅雨、風邪を引きやすくなる冬など。季節の変わり目に風邪をひき、せきが長引いてせきぜんそくになるケースが多い。患者数は年々増えています。正確な診断にはまず問診。せきだけでたんは出ないか、朝方や夜間にせきが出やすいか、アレルギー性の病気を持っているかなどを確認します。家族など周りの人にも同じ症状があるかを調べ、百日ぜきなど感染症とも区別する。せきぜんそくは感染症ではないので、人にうつることはありません。気道の炎症は1~2週間では治まらず、薬の服用を止めると再び悪化することもあります。何度も繰り返していると気道の収縮が進んで、悪化しやすくなります。せきが止まっても、きちんと病院に通って治療を継続することが大切です。
せきぜんそくを確実に予防するのは難しいが、ハウスダストやダニなど身の回りにあるアレルギー原因物質を取り除くほか、感染症や風邪にならないよう体調管理を十分にしましょう。適度な運動で体調を整えることも意識してほしいぜひ取り組みたい。
ハウスダスト 秋の対策肝心
ハウスダストは、室内にたまる主にホコリやちり。衣類や布団の繊維くずや食べ物のかす、髪の毛やふけ、ダニの死がいやフンなどが主です。このうち人体に悪影響を及ぼすのが、ダニの死がいやフン。吸い込んでしまったり触れたりすると、気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、結膜炎などを引き起こすとされている。
ダニは気温と湿度が高い夏場に活発に繁殖します。増えたダニが一斉に死に、秋になると死がいが大量に発生します。秋にハウスダストの悪影響が出やすい病気の代表格が気管支ぜんそくです。
自宅でできるハウスダスト対策は、まずは小まめに掃除することです。最低でも1週間に1回は「1平方メートル当たり20秒を目安に丁寧に掃除機をかければ効果的」という。床などと並んでハウスダストの温床になりやすいのが、布団や枕といった寝具類だ。室内と同じように、週に1回程度は掃除機をかけるのが有効です。ハウスダストで特に気をつけたいのが、床上30センチまで浮遊している分だ。普通に日常生活を送る分にはあまり問題にならないが、床に布団を敷いて寝ている家庭は吸い込みやすいので、用心しましょう。