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2013年11月

来春の花粉量、多くが今年を下回る予測—飛散開始は例年並みかやや遅くなる見込み

来春の花粉量、多くが今年を下回る予測

来春(2014年)のスギ・ヒノキ花粉飛散量は、九州などを除く多くの地方で超大量飛散だった今年を下回るとの予測がNPO花粉情報協会から発表されました。
しかし、東京や千葉、九州の各県などでは過去10年間の平均を上回ることが予想されています。
また、飛散開始時期は例年並みかやや遅くなる見込みだという。

スギ・ヒノキ花粉の飛散量は、前年7月中旬~下旬の気温、同7月中旬~8月中旬の日照時間、さらに前年の飛散量などが影響します。
今夏は猛暑のため花粉が育ちやすい環境にあったものの今春の飛散量が非常に多かったため、全国的には「平年並み」との予想がでています。
ただ、近年は花粉の飛散量が増加傾向にあり、来春も前年や過去10年平均と比べて少なくても、花粉症の症状が出るには十分な飛散量です。

年間飛散量が2,000個/cm2を超えると症状が強くなるといわれており、今回発表された48都市のうちこれを下回ったのは金沢、富山、新潟、和歌山、鳥取の各市など10都市のみ。八王子市(東京都)、坂戸市(埼玉県)などは症状が非常に強くなる6,000個/cm2を超える見込みです。

スギ・ヒノキの開花は、11~12月の気温が低く、1~2月初めの気温が高いと早まるという。
今冬の前半は平年並みかやや低い、1月は低め、2月以降は平年並みとの気象庁の予報が出ていることから、同協会では花粉の飛散開始時期を「例年並みかやや遅い」と予測しています。具体的には、九州~関東が2月中旬ごろになるとしている。
花粉症で内服治療でも効果が出にくいあるいは通院が困難なかたは年内に鼻粘膜焼灼をおすすめいたします。


肺炎予防は健康寿命延伸に不可欠

ペニシリンをはじめとする抗生物質の導入により死亡者数が減少を見せていた肺炎ですが、わが国では高齢化の進行とともに1980年代には死亡者数は増加に転じ、2011年には厚生労働省による死因統計で、肺炎が脳卒中を上回り第3位にまで上昇しました(厚生労働省、人口動態統計)。
一方で、肺炎を“死に至る病”と認識しているのは国民の3割未満とする意識調査の結果(2011年11月、ファイザー実施)からも、肺炎が死につながるとのイメージは一般に浸透していない。
日本呼吸器学会は「ストップ肺炎キャンペーン」を展開し、医療従事者・一般市民双方に肺炎予防の重要性を浸透させていくことが、健康寿命の延伸には不可欠との意識改善を図っています。

肺炎を考える上で重要となるのが、小児と高齢者への対応です。
厚労省の発表資料によると、肺炎全体の死亡者数の96%を65歳以上の高齢者が占め、かつ80歳以上の死亡率は若年者の1,000倍以上であり、肺炎による死亡者のほとんどが高齢者であることが示されている。
また、子どもの肺炎の受療率を見ると、14歳以下の小児の受療率も高く、看病する親の労働損失など、社会的影響も大きいという。

では、なぜ高齢者で肺炎の死亡率が高いのか―。
これには高齢者肺炎の特徴が大きく関与している。
高齢者の肺炎は典型的な症状が出にくく、発見が遅れて重症化しやすい上に、いったん発症すると再発を繰り返し、難治化しやすい、さらに感受性がある抗菌薬を投与しても無効例がある、誤嚥性肺炎のリスクも高い、といった特徴を持つ。そのため、肺炎では、特に“予防”が重要になるという理解が必要です。
そこで、日本呼吸器学会では、医療従事者・一般市民双方を対象に肺炎に関する「ストップ肺炎キャンペーン」活動を行なっています。

肺炎の予防対策で、まず重視されるのが「ワクチン接種」です。
特に高齢者では、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されています。
両ワクチンを併用することで、高齢者の慢性疾患患者における入院率と死亡率がともに低下します。
同キャンペーンでは、“インフルエンザ・肺炎球菌のダブルワクチン接種”を推奨しています(インフルエンザは毎年、肺炎球菌は5年ごとの接種が必要)。
なお、同時接種による安全性に問題はありません。
また、同キャンペーンでは、身体機能や免疫能が低下する栄養不良や、口腔ケアや誤嚥性肺炎への注意も強く促している。
特に、口腔ケアにより口の中の細菌を減らせるだけでなく、ケアすることで嚥下機能も改善し、結果的に肺炎予防につながります。
肺炎球菌ワクチンを未だ受けられていない方が多いと思われます。公費助成をうけて接種するようお願いいたします。