2014/03/10
本格的な花粉症シーズンがきました。症状は人さまざまで、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど、最もつらい症状によって、治療薬の選択肢が増えています。例年起きる症状を医師に詳しく説明して、症状が出る前に適切な薬を処方してもらえば症状が重くなるのを防げます。
人には「免疫」という防御機構が備わっています。病原体の侵入を察知し、攻撃して撃退する。つまり、「疫(病気)を免れる」機構です。ところがこの免疫が思わぬ作用をするときがあります。花粉や、ダニ、タマゴ、ソバ粉などが体に入ると、免疫機構が過剰に働いてしまう人がいます。花粉症では涙や鼻水が出て止まらない。ひどいと気管支ぜんそくを起こしたり、ショックで死に至ったりすることもあります。
アレルギーの発症機構は解明され、アレルギー症状を改善する治療薬も進歩し、効果が上がっています。しかし、完全に治すことのできる治療法は、まだ開発されていません。アレルギーを防ぐにはアレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)にさらされないことが第一です。春先には花粉から遠ざかることです。
生活の仕方にもポイントがあります。まず外出時にできるだけ花粉を体につけないようにすること。つばのある帽子をかぶり、マスクを着用するのは効果的で、症状が出始める時期より前に使い始めると効果が高い。帰宅時は帽子やコートなどについた花粉を玄関先で落としましょう。ポリエステルなど化学繊維のコートの方が花粉を落としやすい。食事や入浴などにも気を配り、1日3食、バランス良く食べて体の抵抗力を高める。酒は症状を悪化させる可能性があるので控えるほうがよい。ぬるめの湯にゆっくり入ると鼻づまりの改善効果があり、鼻腔(びくう)、のど、目の粘膜の修復に役立ちます。
また精神的ストレスが強いと花粉症の症状が重くなるといわれる。
薬を正しく飲めば、不快な症状が抑えられ十分眠れます。
リラックスした生活を送り、症状改善に努めて下さい。
帯状疱疹、20代と50代以上の発症多く ・・・小児用ワクチンは無料化へ
帯状疱疹は、子供の頃に水ぼうそうになり、治った後もウイルスは身体の中に潜伏、身体の抵抗力が低下すると再び活動を始め、発症します。発症が多い年齢は20代と50代以上の方です。最初は神経が走る方向に沿ってぴりぴりした痛みが走ります。数日から2週間ほどして痛みに沿ってぽつぽつと皮疹が出来ます。
水ぼうそうは、子どものころに感染し自然治癒するが、実は治った後もウイルスは消えず、体内の「神経節」という場所に潜んでいます。しばらくは、感染時に獲得した免疫力が強いので、ウイルスを押さえつけているが、時間がたつにつれて免疫が少しずつ低下、これが若年者の帯状疱疹の発症につながる。ただ20代後半から30代になり家族を持つと、子どもが水ぼうそうになったときにウイルスに再度さらされて免疫力を強めることがある。そのため発症率は再び低下するが、それでも50代以降になると免疫力が大幅に低下する。
ポツポツと赤い発疹ができたとき、すぐに抗ウイルス薬による治療を受け、安静にしていれば比較的短期間に回復します。
注意したいのが発症部位です。耳からあご、さらに首に起きて重症化すると顔面麻痺や難聴に、まぶたに広がると失明の原因になることもあります。帯状疱疹の予防は、規則正しい生活を心がけて十分な栄養を取るなど、一般的な健康管理が中心となる。糖尿病などの慢性疾患のある人は発症しやすくなります。
大人になってからのワクチンの再接種が水痘ウイルスに対する免疫を高めるのに役立つと考えられている。実際、米国で行われた臨床研究では帯状疱疹の患者数が急増する50代にワクチン接種をすることで、発症率が半減し、重症化を防いだという結果が出ています。現在、厚生労働省は、小児用の水痘ワクチンや成人用の肺炎球菌ワクチンを10月から定期予防接種にする予定です。現在は自費となっている水痘ワクチンが多くの自治体で無料となることで接種率が増えると考えられます。しかし、子どもの水ぼうそうが減ることで、大人の免疫力を高める機会が減り、帯状疱疹が増える可能性があるという指摘もある。免疫力の低下は、症状の重症化にもつながるので、今後は帯状疱疹予防に対して大人のワクチン接種を考慮しなければならないでしょう。