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2014年10月

大人の女性に増えている気管支ぜん息・・・長引く咳には注意 

ぜん息  ぜん息は気管支に慢性的な炎症があるために、ちょっとした刺激で気管支が激しく収縮し、せきや、ヒューヒューゼイゼイという喘鳴(ぜんめい)、呼吸困難を繰り返す病気。アレルギーを起こしやすい体質に、大気汚染やストレスなどさまざまな要因が重なって起こります。小児ぜん息は男児に多いが、成人ぜん息は女性に多い。有症率は約10%。先進国の特に温暖地域で増加しています。
 気管支ぜんそく患者の多くは、ハウスダストが原因となっています。ハウスダストは、室内にたまる主にホコリやちり。衣類や布団の繊維くずや食べ物のかす、髪の毛やふけ、ダニの死がいやフンなどが主だ。このうち人体に悪影響を及ぼすのが、ダニの死がいやフン。吸い込んでしまったり触れたりすると、気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、結膜炎などを引き起こすとされています。ダニは気温と湿度が高い夏場に活発に繁殖するといわれる。増えたダニが一斉に死に、秋になると死がいが大量に発生する。秋にハウスダストの悪影響が出やすいのは、このためです。
 自宅でできるハウスダスト対策は、まずは小まめに掃除することです。最低でも1週間に1回は1平方メートル当たり20秒を目安に丁寧に掃除機をかければ効果的という。床などと並んでハウスダストの温床になりやすいのが、布団や枕といった寝具類です。室内と同じように、週に1回程度は掃除機をかけるのが有効です。枕カバーなども毎日洗った方がよい。気密性の高い住宅が増えたことなどで、最近では夏以降もダニが繁殖しやすい環境が整っていて1年中ハウスダスト対策が必要です。
ぜん息の始まりはカゼのあと、なかなか止まらないせきであることが多い。過労やストレスで交感神経の乱れが関わるとぜん息発作を引き起こすことがあります。8週間以上続いたら専門医を受診しましょう。適切な治療をすれば、ぜん息への移行を防げます。

10月1日から小児への水痘ワクチンおよび高齢者への肺炎球菌ワクチンが定期接種化 

定期接種  今年(2014年)10月1日から小児への水痘ワクチンおよび高齢者への肺炎球菌ワクチンが定期接種化されます。自治体ではこれらのワクチン接種への公費助成が行われます。
 水痘は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染による疾患。空気感染、飛沫感染、接触感染により広がり、10~21日の潜伏期を経て、発熱、紅斑から始まる水疱、膿疱を経て痂皮化し治癒する。 毎年、9歳以下の小児を中心に年間約100万人の患者が発症、約4,000人が入院、約20人が死亡と推定。ワクチンで防ぎうる4つの主な疾患(麻疹、風疹、ムンプス、水痘)のうち、2004年以降は水痘による年間の死亡者数が最多を記録しています。重症化の原因は発症年齢により異なり、小児では熱性痙攣、肺炎、気管支炎等の合併症が多い。また、感染力の強さから妊娠中期までの感染による先天性水痘症候群や分娩前5日~出産後2日までの妊産婦の水痘発症による新生児水痘も問題となる。水痘は学校保健安全法により全ての発疹が痂皮化するまで出席停止となることから、社会的影響もある。2014年10月~15年3月31日まで特例的に水痘に感受性のある3~5歳未満への1回の定期接種が勧奨される。この措置では定期接種で受けられる回数は1回のみだが、発症予防には2回の接種が推奨されています。日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会は今年7月、水痘ワクチン定期接種の対象年齢以外の幅広い年齢の人への接種を勧めています。
 肺炎球菌は高齢者の3~5%が上咽頭に保菌しており、唾液などによる飛沫感染を起こす。成人の菌血症を伴わない市中肺炎の原因菌の20~40%を肺炎球菌が占める。血液への肺炎球菌の侵入による侵襲性肺炎球菌感染症の発生数は5歳未満に次いで60歳以上で多く、致命率は5歳未満の0.31%に対し、65歳以上では10.39%と高い。初回接種から5年以下の再接種時に副作用が出やすいことから少なくとも5年間は再接種はできない。定期接種の対象となるのは、該当年度に65、70、75、80、85、90、95、100歳になる人、および60~65歳未満で心臓、腎臓、呼吸器機能、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能に一定の障害などを有する人です。