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2017年5月

良質な睡眠のための自律神経を整えましょう

良質な睡眠のための自律神経を整えましょう

 自律神経とは、心臓や腸、血管などの体の機能を、自分の意思とは無関係にコントロールしている神経系。交感神経と副交感神経から成ります。これらは1日のうちでも変動があり、健康な体では、朝から日中にかけて交感神経が活発にはたらき、アクティブで活動的な状態になる。副交感神経は夕方から夜にかけて活発にはたらき、リラックスしている状態に切り替わる。車に例えれば、交感神経がアクセルで、副交感神経がブレーキの役割に近い。自律神経は特に血管系に作用して血流をコントロールしており、いわばカラダのライフラインのような存在です。60兆個といわれるの体全体の細胞一つひとつに、いかに血流を行き渡らせるかが健康のカギを握ります。どんなに立派な骨や筋肉を持っていても、自律神経がはたらかなければ健康は保てません。血管は交感神経が優位にはたらくと収縮して、副交感神経がはたらくと拡張する。イライラしてどなったりすれば、交感神経が上がって血管が収縮し、血圧も心拍数も上がる。交感神経が過度に緊張していると、頭が痛くなったり倒れたりすることもある。
 ストレスがかかると交感神経が優位になって、血管が細くなり、血流が減少して、さまざまな不調につながります。本来なら交感神経と副交感神経がバランスよくそれぞれ高いレベルではたらくのが理想ですが、現代の日本人は9割方、“交感神経過緊張型”です。
 ストレスは自律神経だけでなく、内分泌系や免疫系などいろいろなところに障害をもたらす。ストレスがかかっても、ある程度は恒常性を維持しようとする機能がはたらくのだが、耐えきれずに破綻をきたすとさまざまな病気の発症につながります。自律神経のはたらきは、気候や気圧などの環境条件、時間や数字に追われる緊張感、怒りや嫉妬などの感情によっても変動し、日々、知らない間にそのバランスが乱されている。また、自律神経は加齢と共に乱れやすくなる。男性は30代、女性は40代から副交感神経のはたらきが急降下することがデータでも明らかになっています。
 睡眠も自律神経との関連が深い。現代のストレス社会では、日中の過剰なストレスで夜になっても副交感神経が高まらず、交感神経が優位なまま寝ている人が多いのです。このような人は血流が悪い状態で寝ているため、疲れがとれず蓄積されてしまいます。現代人の睡眠時間は年々減少傾向にあるなかで、加齢やストレスといったさまざまな要因により、交感神経優位になりがちで、逆にリラックス状態になりにくい状況を引き起こしています。副交感神経を上げることで交感神経とのバランスをとることが大切です。自律神経を安定させると血流も改善し、質の良い睡眠がとれます。「体が疲れている」と感じることは、その疲れの正体は、実は「脳の疲れ」だという。仕事や運動などで疲労を感じるのは、自律神経の中枢と呼ばれる部分で、生体アラームとして疲労が体に現れる。どのようにケアすれば効率よく脳の疲れが取れるのか。デスクワークをすると目が疲れたり、肩が凝る。ジョギングやサイクリングをすれば足や腰の筋肉が痛くなる。実はどちらも「脳が、“これ以上仕事や運動などの作業を続けると体に害が及ぶ”という警報(生体アラーム)として疲労を感じていると言われています。疲労とは、医学的には“痛み”や“発熱”と並ぶ生体アラームの一つなのです。

質の良い睡眠をとるには?
寝る前にしっかりと副交感神経を優位にすることが大切です。
1.少なくとも睡眠30分前くらいからは、脳を興奮させやすいパソコンやテレビは控えるようにしましょう。
2.しっかりお風呂に入ること
シャワーだけでは副交感神経亢進に必要な血流が十分に促進されません。
3.腹式呼吸
まずおへその下約十センチのところにある「丹田」に意識を集中させ、鼻から息を五秒くらいかけて吸い込み、口から十秒くらいかけてゆっくり息を吐き出します。
4.ストレッチ
最も手軽に血流を促進でき、かつ筋肉の柔軟性が増すことにより、普段から血流の良い状態を作ることが出来るのでオススメです。
ほんの少し意識することで、自律神経のバランスを整えることはできます。