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2018年9月

乳がん検診で早期発見を

 
 ほのぼのとした日常を描いた国民的人気アニメ「ちびまる子ちゃん」の作者で漫画家のさくらももこさんが、8月15日に乳がんのため
亡くなりました。53歳でした。多くの人たちから愛された「ちびまる子ちゃん」の独自の世界観は、私たち読者の心にいつまでも残っていきます。ここに謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。
 国立がん研究センターが発表した「最新がん統計」によると、1年間に新たにがんと診断された罹患者数の推計値は、男性が50万人、
女性が37万人で、このうち、女性について部位別にみると、第1位は乳がんで約8万人、第2位が大腸がんで約6万人、第3位が胃がんで
4万人、第4位が肺がん、第5位が子宮がんの順となっています。つまり、女性罹患者全体の約2割を、乳がんが占めています。
 一方、がんによる死亡者数については、女性について部位別にみる約と、第1位は大腸がん、第2位が肺がん、第3位が膵臓がん、
第4位が胃がん、そして第5位が乳がんで約1.5万人の順となっています。つまり、乳がんによる死亡者数は全体の約9%で、がんと診断された女性の5年相対生存率でみると、乳がんは90%以上と、高い生存率を示しています。ただし、他の多くのがんが年齢を重ねるにした
がって罹患者が増えてくるのと違い、乳がんの場合は30歳代から増加をはじめ、40歳代後半から50歳代前半でピークを迎えるという特徴があります。なかでも、35歳未満の若年性乳がんの場合は、乳がん検診の受診率が低いこともあり、早期の発見が少なく、ステージ2~3の割合が高くなっており、大きな課題の一つとなっています。
 かつては不治の病と考えられていたがんも、患者さんの予後やQOLを大幅に改善することが可能となってきています。乳がん検診のより一層の普及を図っていく必要があるのではないでしょうか。
 

「サバ缶」で脳が若返り、血管がしなやかに

 

 今、日本で最も多く生産されているのは、ツナ缶ではなくサバ缶だということをご存じだろうか。サバを缶は青背魚にたっぷり含まれる EPA、DHAなどの“いい油”を、安価に手軽に取ることができる。魚の脂のDHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳や目の網膜などの神経系や、母乳や精子にも存在する脂質。DHAは細胞膜に取り込まれると、神経伝達のやり取りをスムーズにする。認知症の発症リスクを下げる、視力低下抑制、学習機能向上などに有効とされ、研究が進行しています。
 EPAには、血液をサラサラにして血栓リスクを抑え、動脈硬化を予防する働きがあります。閉塞性動脈硬化症の医薬品として、また、飲料などの特定保健用食品(トクホ)にも入っています。 全身に酸素や栄養を運ぶ赤血球の膜は、EPAを含むと軟らかくなり、弾力性を増します。このため、血液がサラサラと流れやすくなる。末梢の細い血管にまで血液が届くため、体に必要な酸素や栄養を隅々にまで運搬し、老廃物を排出しやすくします。
 成人1人当たり、EPAとDHAを合わせて1g以上取ることが望ましいが、サバ缶を1缶食べれば、1g以上を軽々と取ることができます。EPAは、体に吸収されると、インスリンの分泌を促進するGLP-1という消化管ホルモンの働き、血糖値上昇を抑制します。中性脂肪値を下げる、という研究もあります。
 中性脂肪値は、血液中に余った糖を取り込むことによって増えるため、インスリンの分泌を高めるEPAを豊富に含むサバ缶は、メタボ抑制に有効といえるでしょう
日本人を対象とした研究では、DHAを継続して摂取することによって敵意性が減ることが明らかになっている。また、海外で約15万人を対象にした複数の研究を解析した結果、「魚の摂取頻度が高いほど、うつ病リスクが低下する」という報告もあります。メンタル面でもよい効果が表れます。サバ缶の食材としての魅力の一つは、皮も身も骨も血合いも脂分も、丸ごといただけるということ。缶詰に加工する際に、圧力をかける処理を加える<ことによって、軟らかくなった骨ごと食べることができる。これは、刺し身や焼き魚にはない利点です。皮の周囲にはコラーゲンもたっぷりと含まれています。
 私のおすすめレシピはサバ缶と玉ねぎ、ココナッツミルクを使ったグリーンカレーです。スパイシーで夏に汗をかきながら食べるのが格別です。