【営業時間】9:00~12:00 15:30~19:00
TEL.059-244-2222

2019年4月

カフェインとりすぎ注意 錠剤など普及、増える中毒

 

  カフェインの過剰摂取による急性中毒が増えている。カフェインは依存性があり、短時間に大量に摂取すると、めまいや過呼吸などの中毒症状が出て死に至る恐れもある。近年は眠気覚ましや疲労回復のため、若者を中心にカフェインを含む錠剤やエナジードリンクが広まっている。国は市民向けの勉強会を開くなどして過剰摂取への注意を呼びかけています。
2016年10月、関西医科大病院(大阪府枚方市)の高度救命救急センターに20代の女性が急性カフェイン中毒で運ばれてきた。女性は意識不明となり心肺停止の状態に。救命医らが心臓マッサージや電気ショックなどの処置に当たって一命をとりとめた。
コーヒーやお茶、医薬品など幅広く含まれているカフェインには中枢神経系を興奮させて眠気を払う作用のほか、疲労軽減の効果もある。ただ心臓への刺激作用もあり、短時間で1グラム以上摂取すると動悸(どうき)や過呼吸、不整脈、吐き気などの中毒症状が現れ、5グラム以上が致死量とされています。
厚生労働省などによると、カフェイン濃度はコーヒーで100ミリリットル当たり60ミリグラム程度。紅茶やほうじ茶、ウーロン茶は同20~30ミリグラム。13年ごろから日本国内で販売が拡大したエナジードリンクや眠気覚まし用飲料では、100ミリリットル当たり300ミリグラム含む製品もあります。会社員や受験生らが眠気覚ましでコーヒーと併せてカフェイン錠剤を飲む人もおり、全国でも救急搬送されるケースが増えています。
日本中毒学会の調査によると、11年度から15年度の間にカフェイン中毒で救急搬送された患者は101人で、このうち3人が死亡していた。97人が錠剤を服用し、患者の年齢の中央値は25歳とのことです。カフェイン錠剤はドラッグストアやインターネット通販で手軽に買えるため、若者を中心に広がっている。一度に大量に摂取すると死に至る危険性がある。
海外では、健康な成人の1日当たりの最大摂取量として400ミリグラム(コーヒー3杯分程度)を推奨している。子供はカフェインへの感受性が高いので摂取しない方が良い。
特に注意が必要になるのは妊婦だ。世界保健機関(WHO)も胎児への影響は確定していないとしながらも16年に妊婦の1日の摂取目安を300ミリグラムと示している。

舌がんの早期発見 口内炎が2週間続いたら受診を

 

 歌手の堀ちえみさんがステージ4の舌がんになったことを公表してから、舌がんや口腔(こうくう)がんに関心が高まっています。口腔がんの初期症状としては難治性の口内炎?といわれています。専門医が見れば口内炎か癌かはそれほど困らずに見分けがつきます。
がんの原因となるのは遺伝子の変異。口腔がんでは、原因となる遺伝子変異は特定されていません。しかし、発症の確率が高くなる生活習慣はわかっています。それが喫煙と飲酒です。国立がん研究センターによる研究でも、男性の喫煙者が口腔・咽頭がんにかかるリスクは、非喫煙者に比べて約2.4倍高かった。したがって口腔がんを予防するには禁煙しなければなりません。
またアルコール度数が高い酒あるいは毎日の多量の摂取にも注意が必要です。前述の国立がん研究センターによる研究では、男性の日常飲酒者(週に1回以上飲酒する人)の口腔・咽頭がんの発症リスクは、非飲酒者に比べ約1.8倍高かった。女性の場合も、日常飲酒者の口腔・咽頭がんの発症リスクは非飲酒者の5.9倍と明らかな増加が見られます。
このほか、欠けた歯を放置したり、合わない義歯を使い続けることにより、日常的に粘膜を傷つけることになり、口腔がんの原因となります。進行した口腔がんでは広範囲な切除が必要になり、後遺症も大きくなる。口腔がんをできる限り初期の段階で発見して、より軽い治療で済ませるためには、口の中の異変に早期に気がつくことが大切です。
【こんなときは専門医に】
●口内炎が2週間以上治らない
●粘膜が白くなっている(これを白板症という)
●口内炎の痛みがひかず、次第に強くなってくる
●口内炎の部分が硬く触れる
粘膜が白くなってくる口腔白板症という病気がある。この口腔白板症の中には悪性化するものや、すでにがんになりかかっているものもあり、口腔がんの代表的な前がん病変のこともあります。この場合、がんの可能性が高い部位のみ切除で再発無く長期生存可能です。多くの症例を経験した先生に見ていただくことが必要です。口内炎は歯科・口腔外科より耳鼻科・頭頚部外科の受診が良いとアドバイスしておきます。