2019/05/09
耳鳴の患者の増加
耳鳴りに悩む人は多い。長年原因不明といわれてきたが、近年になって発生や悪化のメカニズムがわかってきた。突発性難聴やメニエール病などが原因になっているケースもある。
耳鳴りとは実際に音が鳴っていないのに、耳の奥で鳴っているように感じることだ。「ジージー」とか「キーン」などと表現される音が、自分だけに聞こえる。常時耳鳴りを感じていると、不安やイライラを覚え、不眠につながることもある。国内で約300万人以上の患者がひどい耳鳴りに悩んでいる。また、耳鳴りで悩む患者の9割以上に難聴が見られる。
耳鳴りは人が音を聞くしくみと密接に関係している。音は耳の穴を通って鼓膜を振動させる。耳小骨がその振動を増幅する。蝸牛(かぎゅう)という器官がその振動を電気信号に変換する。電気信号は聴神経を通り、脳で音として認識される。この回路に何らかの障害が起きて脳に信号が届きにくくなると、聞こえにくい音域が生じて難聴の状態になる。すると脳は弱い信号を補うために、過度に感度を上げる。それが耳鳴りとして聞こえる。
本人の自覚症状があっても耳鳴りの発生を検査などで把握することは難しい。
一方で、耳鳴りの背後に脳の病気が隠れているケースもあります。耳鳴りによるストレスを感じていなくても、一度耳鼻科を受診してください。聴神経腫瘍などの重大な病気が隠れているケースもある。
耳鳴りを引き起こす難聴として多いのが加齢性難聴(高齢者の「耳が遠い」状態)、突発性難聴とメニエール病です。突発性難聴は50歳以上に多く、ある日突然片耳がよく聞こえなくなる。メニエール病は女性に多くみられ、難聴のほか回転性のめまいが出る。当院で多いのが耳管機能障害による耳鳴です。長年悩んでいた耳鳴が通院治療で改善いたします。きっちりした通気療法を行うことで多くの患者さんが改善しています。
原因はいずれもはっきりとわかっていないが、ストレスや疲労が引き金になるともいわれています。
ストレス高まった時のセルフケア術
さて、どんな人でも仕事をしていると何かと小さなストレスは日々感じるもの。
きっと読者の皆さんも、デイリーなストレスに対する解消法は、なんとなく自分なりに
身に付けていらっしゃることと思います。普段より大きなストレス要因にアタックされると、
自律神経の交感神経系が過活動になり副腎からも抗ストレスホルモンが分泌され、
心身のバランスが崩れやすくなる。
【高ストレス状態のときに出やすい症状】
●寝つきが悪くなる、夜中に目覚める、夢を多く見るなど睡眠が浅く不安定になる
●筋肉緊張が高まり、頭痛・肩こり・腰痛などが普段より悪化する
●イライラしやすくなったり被害妄想的になったりと精神的に不安定になる
●倦怠感がとれにくくなり、心がスッキリ晴れなくなる
●時間に追われる感じが強くなり、ソワソワして気持ちが落ち着かなくなる
●カフェインや甘い物、アルコールなどの刺激物がやたらと欲しくなる
●便秘や下痢、胃もたれ、腹痛などの胃腸症状や、肌荒れ、湿疹などの皮膚トラブル、体がふらつくようなめまい感が出現する
これらはストレスによって自律神経のバランスが悪くなり出したときに発生しやすい症状で、いわゆる「過緊張症状」と呼ばれたりします。こうした過緊張症状に気づかず、そのまま放っておくと、うつ病やパニック障害といったメンタル不調、胃潰瘍や逆流性食道炎、過敏性腸症候群、メニエール病といったストレス性の身体疾患が発生することも少なくありません。
高ストレス状態になっていると感じたときにする行動
(1)睡眠をできるだけ長くとる
最低でも6時間の連続した睡眠を確保しましょう。
(2)「高たんぱく質な食事」を1日2食以上とる
疲労回復に効果的な、高たんぱく質で栄養バランスのとれたメニューをしっかり食べて、良質なエネルギーを常に補給
することが必要です。
(3)他のストレス要因を最小限に減らす
休日に英会話や資格取得のためのスクール、各種セミナーに通っている人も多いと思いますが、
知力・精神力を余分に使う活動は一時休止することをお勧めします。
自律神経系のバランスが悪くなっているため体力的にも普段より疲れやすくなっています
(4)重要な決断・行動は、できるだけ保留する
高ストレス状態のときには、心身が疲労し、思考力や判断力が鈍っていることがよくあります。
人生を左右するような重要な行動は嵐のピークに行うのは控えて、ある程度落ち着いてから
スタートさせましょう。その方が自分本来の思考力や判断力が戻っているため良い結果につながりやすくなります。