2022/12/07
コロナとの共存に必要なこと
今年もコロナに明けコロナに終わろうとしています。人々は行動制限せず街中は混雑して平常の生活に戻りつつあることが昨年と違うところかもしれません。しかしコロナウイルスの変異型の進化は続いていることは意識から外せません。
新型コロナウイルスは感染の過程で複製を繰り返すが、その際に複製ミスが生じてわずかな変化が起きるのが「変異」と呼ばれる現象です。ウイルスにとって都合のいい変異が現れて広まることがある。そうした変異をもつウイルスは、新型コロナウイルスの系統樹における新しい枝となり、「変異型」と呼ばれる。
世界の新型コロナウイルス対策を一変させたオミクロン型の出現が報告されてから、1年となります。オミクロン型は免疫をすり抜ける性質によって感染力が強く、600種類以上の派生型が確認されています。共通しているのは免疫をすり抜ける性質が強まってきていることです。
オミクロン型の感染力はデルタ型よりも格段に強く、欧米など各国で感染が再拡大しました。いまやコロナの99.9%はオミクロン型に置き換わっています。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まって最初の2年間は、感染力や重症化させる力がより強くなった新しい変異型が数カ月ごとに出現しました。だが、オミクロン出現以降WHO(世界保健機関)が名称をつけた新しい変異型はありません。これは、ウイルスの進化が止まったということではありません。
新型コロナウイルスは進化を続け、新たな変異を重ねているのです。現在までに新たに確認されているオミクロン株の亜系統やその派生型は200を超えるといわれています。
WHOは、新たな公衆衛生対策を要するリスクの増大が懸念される変異型だけに、ギリシャ文字の名称を割り当てるのです。幸いにも、オミクロン株の亜系統の1つに感染すれば、別のオミクロン株の亜系統に再感染するリスクは十分に低くなります。また、これらの亜系統は、最初に出現したオミクロン株と比較してリスクが大きいとは考えられていないからです。しかし、今後新しい変異型が発生していないということではありません。
今のところ、多くの国ではBA.5またはBA.2.75が主流となっています。どちらも過去にワクチン接種や過去の感染で獲得した免疫をすり抜ける能力があるが、現行のワクチンにも一定の効果があります。ウイルスの進化が続いています。ですから、今後も免疫を逃避する変異型は確実に出現するでしょう。
一方、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ、新たな変異型が出現する機会を減らすには、早めの診断や、早期の医療ケア、可能な治療手段の適切な活用、およびワクチン接種が必要です。新型コロナウイルスとうまく共存していくことは可能です。距離を保つ、マスクを着用する、換気をする、手を洗う、体調が悪い時には外出しないなど、簡単な方法で感染拡大を防ぐことができるのです。日頃の体調管理はコロナに感染しないための基本です。
聴力の低下を放置すると認知機能の低下やうつ、事故リスクが増える…補聴器を活用して!
脳は、耳から入った音声の情報処理をし、周囲の雑音の中から必要な音だけを聞き分けたり、言葉の意味を理解したりという複雑な仕事を担当しています。聞こえにくさに対して何も対策をとらないと、人との交流に消極的になり、趣味の活動や仕事など、さまざまな活動をあきらめてしまうことが増えてきます。こういった行動の変化は脳の音声情報処理活動の機会を減らし、さらなる聴力の低下や認知機能の低下につながっていきます。補聴器などを活用し、質の良い音を聞けるようになることによって、脳の音声情報処理機能が再トレーニングされ、聞き取る能力を維持していくことができます。聞こえにくい状態が長年続き、それに脳が慣れている状態で補聴器を使い始めると、適正な音を入れても脳でうまく処理されず、最初は不快に聞こえることが少なくない。
聴力低下を自覚したら何歳であっても医療機関を受診し、必要に応じて補聴器を活用することが大切です。難聴歴が短い方が脳のトレーニングつまりはリハビリで「脳力」の回復を早めるのです。これが補聴器をうまく使うコツです