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2025年2月

今年の花粉症

日本気象協会が予測する今シーズンの花粉飛散量が例年より多いと予想されています。
花粉症が重症化すると症状がつらいだけでなく、労働生産性を低下させるなど社会的損失も大きい。仕事、睡眠、勉強など、あらゆる社会生活に影響が出てくる。
 花粉症の重症度は、1日の「くしゃみ・鼻水」の回数と「鼻づまり(鼻閉)」の程度で診断される。1日当たりのくしゃみ発作回数または鼻かみ回数どちらかでも1日当たり11回以上、鼻づまりが強く口呼吸が1日のうちかなりの時間あるなら「重症」に診断される。花粉症の人の約7割が「重症」以上の方が多い。早くから治療を開始すると重症化が避けられます。
 初期治療というのは、鼻がムズッとしたり、くしゃみが増えたと感じたら、すぐにマスクや空気清浄機などで花粉に触れないように対策を徹底するとともに、自分に合った治療薬をすぐに使用開始することです。
 アレルギー反応は花粉と接するたび積み重なり症状が強くなる。飛散シーズンが終わるまで、継続治療が大切です。

 

花粉症シーズンの対策

①花粉排除
 マスクやメガネ、鼻まわりにワセリンを塗るなどして花粉が触れたり体内に入るのを防ぐ。室内で空気清浄機を使うなど物理的に花粉を排除する。
②薬物療法
・抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド薬などを用いて症状を弱める。早めに使い始めるほうが重症化を防ぎやすい。
③オフシーズンの対策
アレルゲン免疫療法…アレルゲン(抗原)を少しずつ投与して、アレルギーを起こさないようにする根治療法。舌下投与と、注射で皮下に投与する方法があります。
④手術療法
 レーザーや薬品による鼻粘膜焼灼や、鼻腔の湾曲を修正する方法、神経切断により鼻水を出にくくする方法などがある。
⑤局所症状には抗ヒス薬や鼻噴霧ステロイド
 重症化対策では薬選びが大切だ。使い慣れれば一般薬(市販薬、OTC医薬品)で乗り切れる場合もあり、医師が処方する新たな治療薬で生活が一変することもある。
アレルギー反応によって起こる炎症を抑えるのは、鼻噴霧用ステロイドだ。鼻粘膜だけに作用することで副作用はほとんどなく、初期治療の最初の段階で用いることも増えている。

 

花粉-食物アレルギー症候群

 最近アレルギーの分野で話題となっているのが、花粉に対するアレルギーを持つ人が特定の果物や野菜を食べたときに反応するPFAS(Pollen-Food Allergy Syndrome:花粉-食物アレルギー症候群)だ。花粉に含まれるたんぱく質と食品に含まれるたんぱく質が似ていることで生じる「交叉反応」で、特に花粉飛散期に悪化しやすい。最近の研究で花粉症患者の約10%に見られる。主な症状は、口のまわりやのどにかゆみが起きたり、唇や口の中が腫れるなどで、数分から30分程度で治まることが多いが、重症例では腹痛や下痢といった消化器の症状や蕁麻疹(じんましん)や呼吸苦などの全身性の症状を来たす。PFASがあると分かったら生で食べないこと。食物の種類によっては十分に加熱することでアレルギーの原因となるたんぱく質が変性するため、症状が出なくなることが多い。

 

花粉症と交叉反応を起こしやすい「野菜・果物」代表

スギ花粉症…トマト(ナス科)
ハンノキ・シラカバ花粉症…リンゴ 梅 桃(バラ科)
ブタクサ花粉症…メロン スイカ ズッキーニ きゅうり バナナ