2025/04/01
鼻水は体調のバロメーター
アレルギー性鼻炎で鼻水・鼻づまりに悩まされる人が増えている。花粉症やハウスダストが主な要因です。なかでも季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症など)は日本人全体で約4割であるが、10~19歳では5割近くの人が悩んでいます。さらに季節に関係なく発症する通年性アレルギー性鼻炎は4人に1人の割合で抱えており、近年増加傾向にあります。アレルギー性鼻炎で鼻水の症状が出るのは、鼻の中でアレルギー反応が起き、ヒスタミンなどの化学伝達物質が大量に出されることで鼻粘膜が刺激されるためです。「異物」を洗い流そうとする体の防御反応によって鼻水が大量に分泌されます。
一方、アレルギー性鼻炎による鼻づまりは、ヒスタミンなどの物質が鼻の神経や血管を刺激することで鼻粘膜の血管が拡張したりむくんだりすることで引き起こされる。風邪やインフルエンザなどのウイルスに感染したときや、アレルギー性鼻炎で花粉やハウスダストなどのアレルゲンに反応したときにも鼻粘膜の腫れが起こる。このほか、市販の点鼻薬(血管収縮薬入り)の誤った使い方が原因で腫れることもあります。
鼻水・鼻づまりの原因のもう一つが副鼻腔炎(蓄膿)です。副鼻腔炎は、鼻の奥にある副鼻腔と呼ばれる空洞に風邪のウイルスや細菌感染、ぜんそくやアレルギーなどが原因で炎症を起こします。副鼻腔炎になると、鼻づまりだけでなく、鼻水がのどに落ちる後鼻漏(こうびろう)、頭痛、嗅覚低下、味覚障害などが起こります。
副鼻腔炎の患者数は100万~200万人と推定されています。最近ではYouTuberのHIKAKIN氏が発症した「好酸球性副鼻腔炎」が、特殊な副鼻腔炎として注目されています。アレルギー性鼻炎の人が副鼻腔炎を併発するケースもあります。
そのほか鼻中隔(びちゅうかく)弯曲症といって、鼻腔を左右に隔てる鼻中隔が曲がっているなどの構造的な問題も鼻づまりの原因になる。外傷によるもののほか、成長段階で曲がってしまうことが多いという。鼻中隔弯曲症は慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎を合併することもある。
このように鼻水・鼻づまりを引き起こす疾患はさまざまで、症状の程度に差はあっても、困っている人は非常に多い。
鼻水には、サラサラとして水っぽいものや、ネバネバしたもの、透明なものから黄色や青色、茶色いものなどがある。風邪のひき始めや治りかけにも、鼻水の状態は変化する。鼻水は、その原因を探る手がかりや体調のバロメーターにもなるのです。
・透明でサラサラした鼻水がたくさん出る
風邪のひき始めやアレルギー性鼻炎に見られることが多い。ウイルスやアレルゲンが侵入してくるとそれらを排除するために、鼻水が増える。寒い場所から暖かい場所に急に入るなどの寒暖差によって水っぽい鼻水が出ることもあります。
・粘り気のある鼻水
鼻腔内で炎症が起きているサイン。典型的な疾患は副鼻腔炎。さらに細菌感染で鼻水に色がつく。
鼻風邪が悪化したときには白い粘り気のある鼻水になり、さらに色のついた鼻水へと移行していきます。
・黄色・緑色の鼻水
鼻炎や副鼻腔炎などの感染を起こし、鼻の中で炎症による化膿が起きています。色が濃いほど、ウイルスや細菌感染による炎症が悪化している状態です。風邪のピークを過ぎても色のついた鼻水が長く続くことがあります。
鼻づまりは日常生活への支障が大きい
鼻は、匂いを嗅ぐ感覚器官。鼻づまりによって匂いを感じる粘膜までの通り道が遮られるので嗅覚が低下し、その影響で味覚や食欲も低下する。同時に鼻は呼吸器官として異物の侵入を防いだり、空気の浄化装置や温度・湿度調節装置として働いたりしている。
鼻づまりによる口呼吸の影響が出るのが睡眠です。いびきが増え、熟睡できなくなることから、翌日に疲れが残り、日中のパフォーマンスが低下してしまう。
また口呼吸が増えると、風邪などのウイルスが口から侵入しやすくなり感染症にもかかりやすくなる。鼻の内部には粘膜と繊毛があり、これらが鼻から入った空気中のウイルスなどを捕捉・排除する機能があります。これに対し口には同様の防御機能がないため、ウイルスなどがのどや肺に入るリスクが高くなります。口の中が乾燥し唾液量が少なくなることから、口内炎、虫歯や口臭、歯周病といった口のトラブルも増えます。
鼻づまりは慣れてしまうと気づきにくくなりQOL(生活の質)を知らないうちに大きく低下させる。鼻だけの問題ではないことを知り、耳鼻咽喉科を受診して治療を受けることが大切です。